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─────もう半ば忘れかけていた。自分のドロドロとした感情で出来た夢…。
自分の身に起こった現実を背負うには自分はまだ幼すぎて、夢の中までも追い詰められる日々。
目が覚める度に現実と自分に恐怖した。能力を与えられたことを引き換えにして己れに巣食い出す本性をありありと見せつけられるから。
段々眠ることが恐ろしくなるのは必然で、ノイローゼのような状態に陥った時期もあった。
そんな状態にあっては安らかな眠りに就くことなど、死の間際まで訪れはしないとずっと思っていた。
そう、ずっと思っていた。
けれど、夢からの解放は想像よりも早く訪れる──────
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