醒める夢 叶う夢

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「何だよ、急に黙りこくって・・・・・・おまえ、実は相当疲れてるんじゃないか。…あんま顔色もよくないぞ」  ふと僕が記憶の淵へと意識を向けていると、先程目覚めた時に見せた表情の彼がいた。 ──────あっ・・・・・夢ではなかったのか…。  途端意識は記憶をたどるのを止めて、彼だけに向いてしまう。見入ってしまう。  簡単な自分の思考に自嘲しつつも、自分に向けられているという事実にえも言われぬくすぐったさが全身を覆う。強張りが緩かにほどけていくのを感じる。 そして、夢を視なくなった理由(わけ)がここにある。
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