醒める夢 叶う夢

8/10
前へ
/10ページ
次へ
「“・・・・・・て、よかった…”」 「何か言ったか」 「いえ…、なにも…」 「はっきり言えよ。気になるだろうが」 「何でもありませんったら」 「何なんだよ、ったく…… ──────心配してた俺がバカみたいじゃねえか」  そっぽを向いたあなたは、僕に聞こえないように愚痴を口にする。 その姿がたまらなく愛しい。 僕はその言葉を聞こえないふりをしながら、反芻する。 また一つ、僕がここに居る証にして。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加