仕事

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午前8時 「いらっしゃいませ!!」 華原 都志夜(かはらとしや)は笑顔で開店したと同時に入店してくる大人たちを迎える。 「今日は何人でのご来店でしょうか?あ、2名様で!わかりました!ではご案内致します。」 華原は慣れたような口調で、布巾できれいに拭かれたテーブルのもとへ案内する。 「ご注文がお決まりになられましたら、お声をかけて頂ければうかがいますので。‥では、失礼します。」 そう‥ここはレストラン。 ある1つのこと以外は普通のファミリーレストラン。 そうある1つのこと以外は‥。 華原は辺りを見回す。 やはり違和感がある。 そう感じざるえない光景。 店員はみんな未成年。店長も未成年。 ウエイトレスはみんな小、中学生。 食事をしているのは、大人から老人‥そして赤ん坊のみ。そこに高校生以下の学生の姿は見られない。 僕だってまだ中学一年。育ち盛り真っ最中のはずだ。 なのになぜ働いてる? 答えは簡単だった。 今からおよそ8年前、Vが成立させた法案、"社会人救済法案"によるもののせいだった。
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