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「さて、どうするか・・・」
あんな姿の翔を見て、身体が勝手に動いていた。
後輩だから放っておく訳にはいかなかった。
そう言う思いからの無意識の行動だったと思う。
でも、本当にそれだけだったんだろうか・・・
自分の中に、不思議な感情があるような気がする。
「ん~・・・分かんねぇや。」
頭を抱え、ベッドに倒れ込む。
「センパイ?」
ドアをノックする音と翔の声が聞こえた。
「おぉ。入れよ。」
「失礼しまーす。」
「・・・///」
風呂上がりの翔・・・
思わず見惚れてしまった。
心臓の音が速い・・・
「センパイ、どうしました?」
「・・・っと・・・髪!!濡れたままじゃねぇか。乾かしてやるからこっち来い。」
見惚れていた事をごまかすように早口で言った。
「スミマセン。」
クッションに翔を座らせ、後ろに回り込み乾かし始める。
すげぇサラサラだ・・・。
触り心地良いな・・・。
ずっと触ってたい・・・っておかしいだろ、俺。
最近の俺は何か変だ。
コイツが可愛いとか、ドキドキしたりとか、髪触ってたいとか・・・
「さっ、終わったぞ。」
そんな自分の考えを振り払うように、翔の頭を少し乱暴に撫でる。
「センパイ、痛いっすよ。」
笑顔を見せる翔に、またドキッとしてしまう。
「・・・何か飲むか?」
「お願いしても良いですか?」
「あぁ、ちょっとまってろ。」
俺はバタバタとキッチンに行き、翔の為にココアを入れて部屋へ戻る。
「ほら。ココアで良いか?」
「ありがとうございます。頂きます。」
翔がゆっくりとカップを傾ける。
「・・・何があった?」
俺は翔が落ち着いた頃を見計らって声を掛けた。
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