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「セーンパイ!!」
部活が終わり、当番だったので部室の片付けをしていたら、アイツの声がした。
「何だよ。邪魔すんな。」
「大人しく待ってたら、ご褒美くれますか?」
「ご褒美って・・・ってか待つって何だよ。」
「ご飯、一緒に食べに行きませんか?」
「何でお前とメシなんか。」
「いーじゃないですかぁ、たまには。ね?」
「・・・分かった。分かったから抱き着くな。」
後ろからぎゅっと抱き着いている翔は、良いと言うまで絶対に離れないだろう。
「やった~!!じゃあ、片付け手伝いますね。」
2人で手早く片付けをして、学校を出た。
「何食いたい?」
「ん~・・・センパイと一緒なら何でも良いんですけど・・・」
「・・・何でも良いが一番困るな。まぁ、次はお前が決めろよ。」
「えっ?」
翔の目がこれでもかって言うくらい見開かれている。
「だから、俺が決めるから。」
「いや・・・じゃなくて・・・・」
「何だよ?」
翔は妙にそわそわしながら、視線をさ迷わせている。
「次って・・・」
「は?・・・っと・・・」
ドンと飛びついてきた翔を抱き留めた。
「また、一緒に行ってくれるんですか?」
俺の胸に額をつけたまま、か細い声で翔が話す。
「・・・」
(次って言ったな、俺・・・)
「まぁ、ヒマだったら付き合ってやる。」
俺がそう言うと、翔は顔をあげ満面の笑みを見せた。
「ありがとうございますっ!!」
「おー。取り敢えず、今日はラーメンだな。旨いとこ連れてってやるよ。」
「はいっ!!」
それからの翔は、かなり上機嫌で楽しそうだった。
俺もだんだん楽しくなってきて、2人で笑いあいながらラーメンを啜った。
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