-3-

2/2
前へ
/22ページ
次へ
「セーンパイ!!」 部活が終わり、当番だったので部室の片付けをしていたら、アイツの声がした。 「何だよ。邪魔すんな。」 「大人しく待ってたら、ご褒美くれますか?」 「ご褒美って・・・ってか待つって何だよ。」 「ご飯、一緒に食べに行きませんか?」 「何でお前とメシなんか。」 「いーじゃないですかぁ、たまには。ね?」 「・・・分かった。分かったから抱き着くな。」 後ろからぎゅっと抱き着いている翔は、良いと言うまで絶対に離れないだろう。 「やった~!!じゃあ、片付け手伝いますね。」 2人で手早く片付けをして、学校を出た。 「何食いたい?」 「ん~・・・センパイと一緒なら何でも良いんですけど・・・」 「・・・何でも良いが一番困るな。まぁ、次はお前が決めろよ。」 「えっ?」 翔の目がこれでもかって言うくらい見開かれている。 「だから、俺が決めるから。」 「いや・・・じゃなくて・・・・」 「何だよ?」 翔は妙にそわそわしながら、視線をさ迷わせている。 「次って・・・」 「は?・・・っと・・・」 ドンと飛びついてきた翔を抱き留めた。 「また、一緒に行ってくれるんですか?」 俺の胸に額をつけたまま、か細い声で翔が話す。 「・・・」 (次って言ったな、俺・・・) 「まぁ、ヒマだったら付き合ってやる。」 俺がそう言うと、翔は顔をあげ満面の笑みを見せた。 「ありがとうございますっ!!」 「おー。取り敢えず、今日はラーメンだな。旨いとこ連れてってやるよ。」 「はいっ!!」 それからの翔は、かなり上機嫌で楽しそうだった。 俺もだんだん楽しくなってきて、2人で笑いあいながらラーメンを啜った。
/22ページ

最初のコメントを投稿しよう!

155人が本棚に入れています
本棚に追加