始まりは日本史の授業!?

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「き..笛木..笛木ッ!!」という(正直)耳障りな大声によって、私は、目を覚ました。 目を開けて視界に入ったのは、ほかでもない、わたしに退室宣告をだした、紫崎先生だった。 「ぇ?にゃんで、せんせぇがここにいるのぉ?」と、ろれつの回っていない口調で尋ねると、先生は「ったく、覚えてないのか。いいか、笛木は保健室にはいった途端、倒れて意識がなくなった。で、熱測ったら39.0℃だと。で、笛木、お前…ちゃんとした生活してんのか?明らかに寝不足だろ。もうこれから、俺の授業の時は、寝とけ。退室宣告もしない。だから無理するな。」と説教と優しさを入り交じった説明をしてくれた。 それを聞いて、安心した私は、「じゃあ、授業に戻りますね。」と、ベッドを降りて教室に戻ろうとした。が、しかしそれはかなわなかった。「笛木。あのさ、もう放課後なんだけど。しかも、お前、今日は引っ越しだろ?」と意地の悪そうな笑顔で微笑みかけてきた。 忘れてた。だけど先生に忘れてたと気付かれるのはものすごく嫌だ。私は「わかってます!」と言い返して保健室を出た。
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