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(ど、どうしよう。カバンとか、持ってくるの忘れちゃったよ…。でも、保健室に戻ったら先生がいるかもだし、今日は引っ越しの日だから急いで帰らなきゃだし、ホントについてない。)とかなはが考え込んでいると、誰かが「笛木、帰るぞ。」と声をかけてきた。驚いた私は、「いや―――ッ」と相手に殴りかかった。
「ゴフッ…、笛木、お前…何すんだ…俺だ。紫崎だ。帰るぞ。」と紫崎先生はかなはの手をひいて歩き出した。私は歩きながら、(ど、どうしよう。先生を殴っちゃったよ…。でも、いきなり、声をかけてきた方が悪いんだよね…。)とまたもや考え込んでいた。すると、「笛木、引っ越し先まで送ってやる。乗れ。」と先生は私を助手席に押し込み、自分も運転席に乗り込んだ。
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