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そんなこんなで、引っ越し先について、かなはは不承不承といった表情で、車を降り、二人はレンガでできた引っ越し先までの道を歩き、ついにそこへたどり着いた。
そこは、決して大きくはないけれど趣のある日本家屋だった。「かなはちゃんも、紫暢もよく来たわね。」とどこからともなく一人の老婦人が出てきた。紫崎が、「母上。私があれほど部屋で休んでくださいと言っていたのに何故にここへいらっしゃったのですか。」とため息をつきながら言うと老婦人は「紫暢が帰ってくると聞いてからわたし、体調がよくなったのよ。それと、かなはちゃんとも仲良くなりたかったの。ね?紫暢、いいでしょ?」と、にこりと微笑んだ。
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