奥村春香

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「春香ぁー、今日野球の試合見に行かない?」 正直、野球とか興味ねぇって思ったけど、親友の葉月からの誘いだったからついOKしてしまった。 ~球場~ 「キャー、やっぱり斉藤さん超ーかっこいい!春香はどの選手が好き?」 「んー……、まだあの人」 「牧田さんねぇ。あの人もかっこいいよね♪」 この会話の後私はずぅっと放心状態だった。気がつけばもう試合が終わっていた。 「春香ぁ、もう試合終わったよ。ずぅっとぼぉっとしてたでしょ。」 「バレた!?まっ、私野球興味ないし…」 こんな会話をしながら球場を出て駅に向かおうとした時、私はケータイを忘れたことに気づいた。 「ごめん。葉月、先帰ってて。私球場にケータイ忘れたから取りに行ってくる!」 もぉ、なんで忘れるの… ハァハァ、久しぶりのダッシュはキツい。っていうか、私の席の付近にケータイないし…どぉしよぉ…なんて思ってたら声をかけられた。 「何探してるんですか?」 「あっ、牧田選手ですよね!?ケータイ忘れちゃって…」 「それじゃあ、俺のケータイであなたのケータイに電話をかけたらどうですか?」 この人すごく優しいな。お言葉に甘えちゃおっかなぁ。 「それいいですね。やってみます!」 ♪~♪~♪ 「あったぁ♪こんな所にあったんだぁ♪あっ、ありがとうございました。チームメートとは一緒じゃないんですか?」 「……、俺、最近打撃不振で…明日から2軍行きで…」 なんか、すごく悪いこと聞いちゃった… 「すいません。こんなこと聞いちゃって…私帰りますね。」 帰ろうとして階段を下りようとしたその時 「あっ!危ない!!」 私は牧田さんに腕を掴まれていた。 「ごめんなさい。最近寝不足だからかなぁ…」 「足ケガしてるし、血でてる。オレのハンカチ使っていいから。」 なんか、私の心臓の鼓動のペースが速い。なんでだろ!?これも寝不足のせいかな!? この時までは私は牧田さんに恋してるなんて思ってなかった。 この時までは……
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