万華鏡、覗キテミレバ。

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私は兄貴との取り引きにより、“故意にトリップできる道具”を手に入れた。 それは昨日の出来事。 あたしは借りていた参考書を返しに、兄貴の部屋へ行った。 「兄貴、これ、ありがと」 そう言って、萌えキャラフィギュアだらけの部屋をさっさと退散しようとした時。 「ちょい待て、いいもん作ったんだけど」 大学生の兄貴はくだらない発明が大好きだ。 まぁ、見てやらんこともない。 そして、兄貴がパーカーのポケットからゴソゴソ取り出したのは……。 「パッパカパッパパーン!“覗いてトリップ万華鏡”!」 若干イラつく某猫型ロボットの声真似で兄貴が出したのは、万華鏡だった。 「万華鏡作ったって……小学生の自由研究かっ!」 仕方ないから突っ込んでやったが、兄貴は何故か誇らしげな顔をしている。 「ふふ……。お兄様にそんなこと言っていいのか?」 「え、何なのそれ?」 「なんと!これで年表の行きたい時代の部分を覗くとその時代にトリップできるのだ!これをお兄ちゃんからプレゼントしよう!」
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