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そうか……これは夢なのか。
ハッキリした意識と記憶は夢に飛び込んだ俺を一気に現実に引き戻す。
強い焦燥感に襲われ、背筋に冷たいものを感じた。
この優しい空間にもう少し長くいたい。
心の底から、身体がそう叫んでいる様な気がした。
また忘れない様にしっかりと見ていたい。
失われたこの優しい記憶の中に残っていたい。
身体が震え、思考が上手くいかなくなる。
だが、意思に反し、再び意識が掠れていく。
記憶に残そうと顔上げた時に眼に映ったのは、金属で出来た無表情な天井だった。
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