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「美樹原優奈!? あ、覚えてる! 何年か前に忽然と芸能界から消えた伝説のグラビアアイドルじゃない!」
「あはは、伝説って……。私ってそんなに有名だったの!?」
「うんうん、超有名だよ!」
忽然と芸能界から姿を消した優奈にまつわる噂話は多い。
芸能界から雲隠れしたくなるような嫌な噂話だけでも、ちょっとした小説が書けるくらいの量だったかなー。
「ところでアンタたちってギルメンって他にもいるわけ?」
「ん、今のところ俺たちだけだよ」
「そっかぁ。しっかし、アンタたちを見てるとギルドに所属していた頃が懐かしく思えるわ」
「ね、もしかしてTレックスのお姉さんはソロなの?」
「まあね~。とはいえ、今はネレイドの村の傭兵のひとりとして活動中だけど」
ギルメンとはギルドメンバーの略である。
さて、千尋は昔の思い出に浸るような寂しげな物腰で俺たちに語りかける。
「仲間を大事にしなよ。この世界は〝現実世界〟と同じで死んでしまったら、なにもかもが終わりなんだから――」
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