第一話 欲望の世界4

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「あはは、ここは一種の動物園だねぇ……って、そんな冗談通じないか」 「う、うん、無理!」 「とにかく、今の俺たちはヤバい場所にいることだけは間違いない!」 「お、お兄ちゃん、怖いよ!!」  一種の動物園って言っても過言じゃない。  この洒落たパブ、バー、スナック――いやいや、冒険者の集会場の中にいる客は、そのすべてが獣だ!  しかも、獣なのに人間の言葉を――。  ちなみに、カウンター席の奥にいるマスターは、黒い犬のような頭をしている。  古代エジプトのアヌビス神を連想する姿だなぁと――。  さて。 「そう怖がることはない。お前たちも〝地球〟から来た仲間だ。外見に問わず歓迎するぞ」 「う、うわぁ、今度はライオンだぁー!!」  豹や虎がいるんだ! ライオンがいたっておかしくはないぞ!  そ、そんなライオンだけど、どうやらメスライオンのようだ。  ついでに、魔法使いを連想させる鍔広の尖がり帽子をかぶっている。 「今、〝地球〟って言ったよね?」  そ、それはともかく。今、妙なことをライオンが口走った―〝地球〟から来た仲間と!?  そういや、御崎千尋やアレクサンドルも〝地球〟がどうとか言っていたな、そういえば――。
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