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「あはは、ここは一種の動物園だねぇ……って、そんな冗談通じないか」
「う、うん、無理!」
「とにかく、今の俺たちはヤバい場所にいることだけは間違いない!」
「お、お兄ちゃん、怖いよ!!」
一種の動物園って言っても過言じゃない。
この洒落たパブ、バー、スナック――いやいや、冒険者の集会場の中にいる客は、そのすべてが獣だ!
しかも、獣なのに人間の言葉を――。
ちなみに、カウンター席の奥にいるマスターは、黒い犬のような頭をしている。
古代エジプトのアヌビス神を連想する姿だなぁと――。
さて。
「そう怖がることはない。お前たちも〝地球〟から来た仲間だ。外見に問わず歓迎するぞ」
「う、うわぁ、今度はライオンだぁー!!」
豹や虎がいるんだ! ライオンがいたっておかしくはないぞ!
そ、そんなライオンだけど、どうやらメスライオンのようだ。
ついでに、魔法使いを連想させる鍔広の尖がり帽子をかぶっている。
「今、〝地球〟って言ったよね?」
そ、それはともかく。今、妙なことをライオンが口走った―〝地球〟から来た仲間と!?
そういや、御崎千尋やアレクサンドルも〝地球〟がどうとか言っていたな、そういえば――。
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