たった二人の特捜本部

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黒田は一瞬、目をしばたかせ、呆気に取られていた。壬生は構わず続ける。 「それに、我々が興味を持つべきは犯人、及び容疑者であって、これから犯罪を犯すかもしれん奴や刑が確定したやつには興味はありませんわ」 そこまで壬生が言うと、黒田は嬉しそうに表情を崩して言った。 「いゃあ、冷徹なご意見ですね!同じ刑事さんでも筒井さんとは大違い!あの方は熱血漢て感じですが」 そこで言葉を切り、壬生を見つめる。何か妙な熱に浮かされた様な瞳に、居心地の悪さは加速する。 「貴方には凡人には無いクールさを感じますよ」 嫌味か本当の評価か、壬生は黒田の真意を測りかねた。 ただ表情に嫌悪の色は見えない。むしろ好感を抱かれている気がする。 嬉しくともなんとも無いが。 「人を正すにしろ、導くにしろ、貴方の様な見ようによっては非情に感じる態度も必要かも知れませんね」 まるで、自分自身に言い聞かせるように黒田はつぶやく、壬生はどう受け答えすればわからず、黙って居るしかなかった。 居心地の悪さはもはや頂点だ。 その時、ドアの外に人の気配があり、少年の声が聞こえた。 「三年五組、三木、入ります!」 こいつも括舌が良い。
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