たった二人の特捜本部

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署に戻り、デカ部屋のパソコンで「なかまのかい」を検索してみた。 やはり自分達のホームページを立ち上げていた。 こう言う連中は、自己顕示欲が強いのだ。だからこそ、内外に己の存在を宣伝したく成る。 詳しく見ると、メンバーは五十人、活動内容は学園のある地域の清掃活動から障害者の就学支援や校内の生徒間トラブルの解消、更には被災地への募金やボランティア活動まで行っていた。 筋がね入りのお節介焼きだ。 壬生はそう確信した。 構成メンバーを紹介したページを見る。 無論詳細は出ていないが、男女比率は公表されていた。 予想に反し男子が若干多い、この手の活動は女の方が熱心だという認識が壬生にはあったが、これは思いもよらなかった。 その男子のほとんどが体育会系クラブの人間だった。 個人情報の記載が無い代わりに所属している部活の名前が列記されていたが、剣道、柔道、ボクシング、レスリングと男子全員が格闘系のクラブに席を置いている。 生徒間トラブルの解消に腕っぷしが必要だからか? などと冗談にも成らない想像を思わずしていた。 しかし、そうとしか説明出来ない構成でもある。 説明不能なシコリが胸の中に居座った。
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