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私は自らの無知を嘆いた。
私が少しでもこの本を読むことが出来ていたならば、こんなことにはならなかった。
いや、神父様に恋焦がれなければ、こんな事は起こらなかったのかも知れない。
後悔してもあまりに遅く、それからの出来事は瞬く間、足掻く隙もなく、私を突き落とした。
教会から学校に、私のことが知らされたらしい。私は、邪教徒として扱われ、やがて退学へと追い込まれた。
夢は絶たれた。あまりに申し訳なくて、村に帰ることも出来ない。
それでも、村のみんなが支払ってくれた学費だけは自分で返さなくては、と思った。
それから私は、働ける仕事ならどんなことだって、身体が動く限り働いた。
それでも、稼げるお金はほんの一握りで。だからそれはきっと必然の選択だった。
―間もなくして私は、娼館へと身を落とした…
賎しい身ながら、私は思う。
それでも、あの恋心を後悔したりはしない。
教会での日々は、眩く幸せだったから。
私は燃えかけの本だけを抱いて、色欲の罪に墜ちていった―
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