第二の扉 ―暴食―

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その夜、やっぱり僕は眠れなかった。 暖かなベッドに横たわって、昼間の貧民街のことを考えていた。 あの子ども達は今どうして寝ているのだろうか。 「ティト!」 「ぅわっ!」 そんな僕のところに、ミリィがひょこっと顔を出す。 「何だか今日、変だよ?」 「うん…」 「話して?」 ミリィは微笑む。また僕はミリィに励まされている。 僕は、ぽつりぽつりと、自然に今日あった出来事を話していた。 「ふぅん」 ミリィは少しだけ考えたような表情を浮かべた後、にこっと笑ってみせた。 「ティトの思った通りに、すればいいよ」 それだけ言うと、おやすみー、と自分のベッドに潜っていった。 僕は考える。僕がしたいことは何だろう。 そして、翌日、僕は自分の食事のパンをこっそり隠し持って、貧民街に向かった。 子ども達の飢えた獣のような瞳が突き刺さる。 「こ、これ…っ!」 僕はおずおずとパンを差し出す。 子ども達は、どんな反応をするのだろう。 心に決めていたことなのに、急に自信がなくなる。 偽善者だと罵られるだろうか。僕の行動は所詮は自己満足で終わるのかもしれない。 そんなことを考えていたら、僕の袖を引く少年がいた。 「…それ、食べて…いいのか?」
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