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それからしばらくしてからだった。
僕はやっと仕事にありつくことが出来た。
街工場の、下働き。
貰えるお金はほんの僅かだけれど、僕は自分でお金を稼ぐことが出来るようになったんだ。
「やったじゃない!」
「ありがとう、ミリィ!」
僕たちは手を取って喜びあった。
いつか、二人で誰かを救えるようになるんだ。そう、堅く誓った。
けれど、その頃から、ミリィの体調がすぐれなくなった。
咳が止まらず、たまに出る熱に浮かされ、やがて頻繁に倒れるようになった。
ミリィは大丈夫と笑っていたけれど、だんだんとその頻度は増していって、遂にはベッドに寝たきりになってしまった。
やがてシスターがお医者様を呼んでくれた。
そして診断されたのは、流行病。
あぁ、罰が当たったんだ。
僕はそのとき、そう思った。
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