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幸い、ミリィの病は不治の病ではなかった。薬もある、早期に治療をすれば、助かる病気だった。
「私、元気が取り得だから、きっとすぐ治るわ」
それを聞いたミリィは、ベッドの上でにこにこ笑ってそう言ってみせた。
孤児院は出来る限りミリィの治療をしてくれた。特効薬には手が届かず、安い薬や薬草でミリィの病気を治そうとした。
けれど、次第に病はミリィの身体を蝕んでいった。
僕の脳裏にクレアの姿が浮かぶ。
あのとき、もう少しはやくクレアに何か出来ていたら。
そう思うと、焦燥感が僕を襲った。
クレアのときと、同じことが起こってしまうかもしれない。
僕は必死に働いて、隙が在れば薬草を採りに行った。
けれど、日に日にミリィは弱っていく。
僕は決意し、ある日、稼いだ全てのお金を持って、薬屋に行った。
「流行病の薬を下さい!」
僕のその言葉に、店主は薬を持ってきてくれた。
でも、その値段は、桁が違うほど手の届かないものだった。
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