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「まあ、お姉様、それって嫌味ですわ」
そんな私の愚痴を聞いてくれる人間は、一人しかいない。
私の腹違いの妹…私の生まれた少し後、正室から生まれた正統な後継者。
驚くかもしれないが、私達は大層な仲良しなのだ。
「でもエメリア、この間なんて昼間にお茶会で夜はパーティ。私もううんざりよ」
私は嫌なことがあると、こっそり妹エメリアの部屋に来ては愚痴を言っていた。
「私はサーシャお姉様が羨ましくて仕方ないのに。私もお姉様くらい美しかったらよかったのです」
エメリアは可愛らしく頬を膨らませた。
「それにお姉様には欲がありません。
私は綺麗な贈り物を沢山いただきたいですし、パーティーにも行きたい。
それに、素敵な殿方と恋もしたいです!」
エメリアは少し拗ねて、私を叱りつけるようにそう言う。
正室の娘として大事に育てられ、夢も欲もある、絵に描いたような完璧なまでの貴族の幼いお嬢様。
彼女が私だったら良かったのに。
互いを羨む私たちはちぐはぐで、けれど本当の姉妹みたいに仲良しだった。
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