26人が本棚に入れています
本棚に追加
ソニアは笑わなかった。
それどころか偉いと褒めてくれて、私は少し恥ずかしくて、そしてとても嬉しかった。
それから一通り学舎と寮を案内して貰って、私達の部屋へと通された。
扉のネームプレートには、私とソニアの名前が書かれていた。
「ここよ」
「うわぁ…!!」
部屋は私が村にいたころの自室よりとっても立派なもので、私はまた感嘆の声を漏らしてしまう。
「凄い、これから、こんな場所で過ごせるの…!」
「そうよ、よろしくね、ミレーユ」
ソニアがにっこりと笑う。
「うんっ!」
部屋の半分はソニアのスペースのようで、品の良い調度品が並べられていた。
私はもう半分…まだ何もない、自分のスペースへと向かう。何もないといっても、机にクローゼット、大きくてふかふかのベッドが備え付けてあって、私には十分すぎるものだった。
「あれ…?」
荷解きをしようとベッドへ向かうと、何だか綺麗な洋服が置いてある。よくよく見ればそれはソニアの着ているものと一緒だった。
「ソニア、これは貴女の服じゃないの?」
私は服見せて、ソニアに尋ねる。
「あら、貴女のよ。
一着しかなかった?心配しなくても、スペアもそのうち届くわよ」
私は訳が分からずきょとんとしてしまう。
そんな私を見てソニアは笑った。
「制服よ、それ」
「え…えぇ!?じゃあ、明日から私もこんな服が着れるの?」
「ふふっ、ミレーユったら本当に面白い!」
大げさに驚いた私を見て、ソニアは今度はお腹を抱えて笑っていた。
私は恥ずかしかったけれど、それよりも明日から始まる学校での生活が楽しみで仕方なくなっていた。
最初のコメントを投稿しよう!