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(アリスさん…)
和也はアリスの家の前に立っていた。あの時のアリスの悲しげな表情が気になって仕方なく、今はここに居る。
「謝らなくちゃ……」
チャイムを押そうとしたとき、ドアが開いた。そこには緑色のショートの髪をし、蒼色の瞳をして、ジーパンを履き長袖のTシャツの上にパーカーを着た女性が立っていた。
「どうかしました?」
女性は和也に声を掛けた。
「あ、あの……、アリスさんは居ますか?」
和也は戸惑っていた。確かアリスは1人暮らしのはず。なのになぜもう1人が?
「アリスか?今着替えているところだ、少し待ってくれるか?」
女性は和也にそう告げると、家の中に消えていった。
数分後、アリスとさっきの女性が現れた。
「和也さん、私に何か御用ですか?」
和也はアリスに、あのことを謝った。だがアリスは顔を上げるように和也に言った。
「もう過ぎた事なんで大丈夫です。ところでお時間よろしいですか?」
「は、はい…、大丈夫です。」
和也は何が起きるのかさっぱり分からなかった。
「私たち、これからこの町の散策をしようと思っています。よかったら案内してくれませんか?」
和也は喜んで了承した。
「いいですよ、いきましょう。まずはどこへ行きますか?……って聞いても分からないですよね。まずは商店街に行きましょうか。」
3人は商店街へ向かった。
◆
和也たちが住んでいる町の商店街へついた。この町唯一活気にあふれた場所である。
「す、凄い人ですね…。ここは毎日こんなに混んでいるのですか?」
「そうですね、ここは基本的毎日こんな感じです。そういえば、そちらの方は?」
和也はアリスの横に居た女性のことを聞く。
「私は、カレン・シュナイファーだ。よろしく。」
カレンは凛とした態度で、自己紹介を済ませる。和也も自己紹介を済ませ、商店街の中間点に位置する雑貨屋で足を止めた。
「ここは何ですの?」
「ここは雑貨屋です。アクセサリーやマグカップの小物系なら何でも置いています。」
アリスは和也の説明を聞き、店内へと足を進めた。]
「いらっしゃいませ!」
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