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店員のさわやかな挨拶を受け、3人は店内へと進んだ。中にはマグカップ、ブレスレットや、ちょっとした小物系の品物が所狭しと並べられていた。
「和也、これは何だ?」
カレンは芳香剤を指差し、和也に聞いた。
初対面でいきなり呼び捨てかよ……と、思いつつ質問に答えた。
「?それは芳香剤ですよ?」
和也は不思議そうに教えた。アリスはかなり夢中になり、いろいろな物を見ているそのときだった。
外から悲鳴が聞こえ「この、引ったくり!」と叫ぶ声がした。
「なに?」
和也が振り返ったと同時に、カレンが物凄い速さで店から出た。和也とアリスも外に出た。そこで和也は普段見ない光景を目の当たりにする。
◆
外から悲鳴が聞こえ、カレンはすばやく外に出た。すぐさま、ひったくった人を見つけ追いかけるか人が多すぎてなかなか前に進まず引き離されていく。
「特別処置があるから、問題はない…。」
近くにあった少し高い台に飛び乗り、一気にジャンプする。ジャンプしたと同時に背中から白い翼が飛び出し、勢い良く羽ばたく。周りの人たちはカレンに釘付けになるが、カレンは周りの事はまったく気にせず犯人だけを見ていた。
「必ず捕まえる!」
カレンは犯人に接近する。さすがの犯人も周りの視線が気になり足を止め、視線の先を見るやいなや腰を抜かし、鞄を落としてしまう。カレンは犯人の目の前で仁王立ちをする。
「二度と同じような真似はするな、いいな?」
天使の姿なのに、バックに強力な獣が居るようなオーラを発し犯人を威嚇する。
「ひひっ!」
犯人はつまずきながら、逃げていった。
「これでよし…」
鞄を拾い上げた時に和也とアリスが駆け寄ってきた。
「カレンさん、あなたは一体……」
ついにカレンの正体が知られてしまった。これ以上黙り続けるのもこの先大変だと思ったカレンは和也に言った。
「私の正体は天使です。」
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