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3人は吹奏楽部の練習場所に着いた。
「ここが練習場所ですか……」
アリスが練習風景を見ていると横から誰かが近づいてきた。
「やあ、君が噂の転入生?今朝はいいものを見せてもらったよ。」
部長らしき人物がアリスに話しかけている。
「ここが練習場所ですか?さすが優勝常連校とあって、活動は盛んですね。」
アリスの言うとおり、3人が居る学園の吹奏楽部は毎年優勝するほどの腕前を持った部なのだ。そうあってか練習時間は長いと思い気、実は放課後3時間しか練習していない。経験者も居れば初心者も居るといった状況である。
「確か、フルートを吹いていたね。もしかしてかなりの腕前かな?」
「いえ、始めて1年くらいです。」
アリス以外の3人は驚愕した。華麗な音色を奏でているにもかかわらず、たった1年であんなに吹けるとは誰もが思っていなかった。
「にゅ、入部希望?」
「そうですが、今日は練習風景の見学だけに来ました。」
部長らしき人は大いに喜んだのを見て、アリスはクスッと笑った。
「では、また明日。」
「いつでも待ってるよ!」
3人は学園を出た。
「そういえば、アリスってどの辺に住んでいるの?」
時乃が聞いた。
「そうですね……、和也さんの隣ですね。」
それを聞いて、時乃と和也は驚いた。先日、和也の右隣に誰かが引っ越して来たのは知っていたが、まさかアリスだとは思わなかった。
「お、俺の家の右隣がアリスさんの家だったとは……。」
和也は、驚いたが少し嬉しかった。
「和也、何か変な事を考えてないでしょうね……。」
時乃が和也に迫り、和也は後ずさりをする。
「な、なにも変なことなんて考えてないさ!」
和也は、冷や汗を大量にかきながら否定した。4月下旬と言うのに、和也は寒気を覚えた。
そうこうしてるうちに、それぞれ3人の家の近くに来た。
「あれが私の家です。一人にしては大きすぎるんですがね…。仕方ないです。」
アリスは自分の家を教えた。
「一人って………、まさか身内がいないの?」
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