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1章を見て、『タイトル関係なっ!』と思った皆様、ここで満を持して幽霊の足についてです。まあ、さすがにタイトル完全無視はダメですもんね。
さて日本の幽霊、我々のイメージでは足がないのが相場ですよね。しかし、実は足がない幽霊というのは中世から近世にかけて出来上がったものであり、それ以前の、人間の霊魂やたたりを真剣に怖がっていた時代にはきちんと足があったらしいのです。
幽霊に足がなくなったのは昔からあった怪談が江戸時代に、より物語的な「四谷怪談」「番町皿屋敷」といった怪談話になってからです。特に江戸時代の写生画家、円山応挙という人の書いた幽霊の図は、圧倒的な出来映えで、その後の怪談芝居の看板などにもずいぶん影響を与えたそうです。
なぜ足がなくなったか。いろいろ説がありますが、イメージではなく、実際に絵を描くとなると下半身がおぼろに消えている方が、いかにも生身の人間臭さがなくて、すご味が出るからだとか。人形浄瑠璃で、香の煙の中にもうもうと出てくる幽霊の姿がヒントになったとも言われているそうです。
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