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「両親は我が身可愛さに、弟を殺した。」
目の前で起こった出来事に驚いて、弟の体から大量の血が流れて、ただ無意識の内に棚に飾られていた刀を握り、両親を惨殺した。怒りと憎しみを込めて、裏切った両親へ、一切の手加減などすることもなく。
「……弟のいない世界などどうでもいい。滅ぶも栄えるも俺には関係ない。ただ殲滅できればいい。ただ、灰となり消えればいい…誰の記憶からも消えて無くなればいい」
いつの間にかドシャ降りで、二人の生徒はびしょ濡れで、それでも一歩も動かない
「……変な話をした。忘れろ」
踵を返し、立ち去ろうと歩を進めた
「リュラ」
その歩みはヴィアトによって止められた
「話してくれてありがとう。大したこと何も言えないけど……『記憶からも消えて無くなれば』なんて、そんな悲しいこと言うなよ…っ…」
最後の言葉はまるでリュラ自身のことを言っているように聞こえた。リュラという生徒など最初からいなかったのだと、そう言っているようで悲しかった
「リュラ、生きろ。お前がいなくなったら悲しむ奴はたくさんいるんだ、それだけは忘れないでくれ」
「……」
振り向くことなく、リュラは歩を進めた。
ヴィアトはただ遠ざかるリュラの姿を見つめていた…
fin
なんっじゃこりゃ。兄さんごめんなさぃいいいっ(泣)
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