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3.
「今のは痛かったな。どこをぶつけた？」
「いや、大丈夫です」
あまりにも軽く立ち上がった私に、男性は面食らった顔をしている。
実際、一線を越してしまえばあまり痛くは無かった。
「荷台が高くて前が見えなかったんだ。すまない」
仕草は紳士だが顔は地味リーマンな男。
こういう人って実際一番安定した結婚するんだよな。
……何はともあれ、寒気が吹き飛んだ事には感謝感激である。
「ありがとうございますチーズハムパンさん。これで私も堂々と買い物に行けます」
「ち、チーズハムパン……？」
本気で嫌な顔をされた。
チーズハムパン、美味しいじゃないか。
「さようなら」
今度こそ、廊下の向かい風に向かって歩き出した。
お、やっぱり寒い。
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