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あれから半年、彼はまだ私を打ち負かしてはいないけど、少しずつ余裕が無くなってきた…私も修業しなくちゃね…一枚の写真を眺めながらそう呟いた。
せっかく誕生日の記念撮影なのに泣いちゃってて彼に不思議がられたっけ…慌てて言い訳したから余計にね…
本当は…嬉しかった…だからちょっとだけ…泣いちゃった…私って変…でも…ちょっとくらいは…変でもいいよね…
「師匠~早く相手してください~」
窓の外から彼の声が届く。私は眺めていた写真を大切にしまいながら待ちくたびれた彼の元に向かった。
…負ける訳にはいかないわ…だって…この楽しくて…幸せな時間を終わらせたくはないから…雲一つない澄み切った空を見上げながら私は小さく呟いた。
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