4人が本棚に入れています
本棚に追加
真っ暗なグランドの真ん中で、一人燃え尽きるのを待った。
火って暖かいし明るいんだ、なんて思ったりもした。
他は思い出したくもない事ばかりが、頭に炙り出されたように浮かんでは消えてった。
やっぱり思い出なんて簡単には消せない。
今度は、胸に有刺鉄線が巻きついたみたい痛い。
そんな時、白いものが降ってきた。
雪?
いや、まだ雪って季節には早いか。
手のひらで、そっとそれを捕まえると、手が汚れた。
雪みたいにキレイなモノじゃない。
灰だ。
風に吹かれ、舞い上がった灰があたしをまた汚した。
何をしても、あたしは汚れてるし、どうすることもできない。
息苦しかった。
最初のコメントを投稿しよう!