友達

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俺は言った。 「なんか久々だなぁ」 友人は言った。 「たかが1週間じゃん。」 友達と今日は喫茶店に来ている。 久しぶりに会ったのだ。しかし会ったところで話すこともあまりない。俺は言った。 「彼女ほしいよな。」 「そっか-」 「そっか-ってほしくないの?」 「あれっ言ってなかったっけ?」 「なにが?」 「俺彼女いるよ。」 えっ?… 俺は笑いながら言った。 「嘘つけ-」 友人は真剣な顔で 「本当なんだ。」 混乱した。 いつも一緒にいた俺が知らない訳がない。 ありえない。 「なんで俺に言わなかったんだよ。」 「前言ったと思ってた…」 「友達ならいうもんだろ!」「いつから付き合ってんだよ?」 「去年から。」 一年間もこいつは黙ってたのか… 「まぁもういいよ。 で、どんな彼女なんだよ。」 「写メあるよ。 はい。」 携帯を受け取り画面を見た。 …えっ? 「外人じゃん。」 「うん。 ドイツの人だよ。」 俺は友人が一気に遠い存在になった気がした。 聞きたいことは山ほどある。 どこでドイツ人と知りあった? 何してる人? いつ会ってたの? 何故か聞くのが怖い… 俺は言った。 「でもちゃんとやっていけてるのかよ。あんまり会えてないだろ?バイト忙しかっただろうし。」 「まぁな-最近会えてなかったな-」「だろ-引っ越しのバイトってやっぱ今の時期大変なの?」 「わかんないなぁ-引っ越しか-」 「引っ越し屋でバイトしてんじゃんか。分かるだろ?」 「引っ越し屋でバイトなんかしてねーよ.」 えっ?…俺は笑いながら言った。 「してるって言ってたじゃんか。 とぼけんなよ。」 「言ってねーよ。」 全くわからなくなってきた。 「じゃ、じゃあ今何してんだよ。」 「大阪でブティック経営してるよ。 前言わなかった?」 「…は?」 1週間でこいつに何があったんだ? こいつがわからない。 なんなんだ? 「本当に山田だよな?」 友人は笑いながら言った 「斎藤だよ。」 誰だ? 「21歳にもなって何の冗談だよ。」 次は何故か呆れた顔で 「何言ってんだよ俺達来年で35歳だぞ」 この時決心した。こいつはおかしい。 いつもの山田じゃない。いつもの友達じゃない。 お前はダレダ?
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