~共犯者~

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~共犯者~

いいアイデアを閃くと、ちょっと興奮してしまうのは私だけじゃないはず。 まぁ、これだけ推理をしてきて、まだ慣れないのかと自問したくはなるけど…。 興奮を抑えるために私はカウンターに移動し、麦茶を飲みながら推理を続ける。 「え~と…、乗客のいずれかが犯人だった場合、問題はその位置なんだけど。」 「運転席側、後ろから3番目の席に男女1名づつ、1つ飛んで前の席に男性1名。 乗降口側、最前席とその1つ後ろの席に男性が1名づつで、計5名。」 「やっぱり…、この位置関係は偶然じゃなかったんだ。」 「と、言いますと…?」 「まずナイフ男がいた場所は、男女の隣は全体を見回しやすい位置で、 さらに人質のふりをしている仲間と、比較的会話がしやすい位置でもある。 顔を隠してる犯人がバスのミラーを壊したのは、このためだったんだ。」 「成程、運転席の真後ろならば気付かれにくく、密談には最適と…。」 「そう、多分間違いなく、運転席側に座っていた男女は共犯者。 そして、その2つ前の座席の男性も共犯者のはず。 そうでなければ、気付かれずに会話するなんて難しい。」 「…男女の前の席の男性を共犯とする理由が、少し弱くありませんか?」
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