第七巻 “真実”への鍵

～共犯者～

「なら…、あ、そうか！！だから一番後ろの女性を殺した！！

最後尾の一番後ろに座っていた女性の位置からなら、

運転席側の３人と犯人の会話の様子が筒抜けになる！！

一番前の席とその後ろの人たちが共犯者だったなら、

女性の位置から共犯者とのやり取りは確認出来ない、殺す理由が無い。

つまり、女性の位置から全ての共犯者が見えるって事なんだ。

共犯者っていうのは一蓮托生、抜ければ裏切りを意味する。

このバスジャックが強盗グループが仲間を救出するためのものなら、

そのグループの人間は全員、このバス内に絶対いるはず。

そして、その可能性が１番高いのが後ろの３人という訳。」

「素晴らしい…、ですがもう一押し何か欲しいところですね。

彼らに白を切られれば、逃げられかねませんよ？」

「大丈夫、携帯電話を新たに購入してない奴が犯人だから。」

「…？どういう意味でしょうか？」

「恐らく、共犯者なんだから犯人の２人から携帯は返してもらったはずでしょ？

つまり、犯人に奪われたはずの携帯を持ってる人が犯人の仲間。

普通、仲間の携帯を捨てる奴なんかいないでしょうし…、

自分はばれないと高を括ってる犯人が、携帯を処分するとは思えないでしょ？」

了