~激闘、日本警察~

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~激闘、日本警察~

結局、この連休では、初日のバスジャック事件しか推理出来なかった。 件が知り合いと会う約束があるとかで、2日間館内に入れなかったせいだ。 そして火曜日、9月16日、午前8時。 「…おはよう、奈々子。」 「いやぁ本当に、遅れてごめんね~?」 奈々子の休み明けの待ち合わせ遅刻率は100%、もはや日課として諦めてる。 「そういえば、昨日の“激闘、日本警察”って番組見た?」 「奈々子って、いつもそんなの見てるの…?」 「いやいや、それにね?黒澤刑事が出てたんだよ。」 黒澤か…、私的には教育に良くないものはあまりテレビに映さないで欲しい。 あいつの喋り方は、間違いなく子供に悪影響を与える、はず。 「何か友香里、とっても失礼な事考えてる顔だね?」 「…天下無双の外道刑事を地上波で流すのはいただけないでしょう?」 「私からすれば、黒澤刑事にあれだけお世話になっといて、 平気でそんな事言える友香里の方がよっぽど外道だと思うよ?」 「残念でした、私の口の悪さは黒澤刑事の教育の賜物なの。」 「…私としては仲良くしてくれればそれでいいんだけどねぇ。」 奈々子はそう言いながら、何ともいえない表情を浮かべている。 「何か奈々子って、いつも黒澤の肩を持つよね?」 「そりゃ…、恋のキューピッドだからね?」 何が恋のキューピッドか…、あんなおっさんに言い寄られても迷惑だって。 「ま~たそんな顔して、実は黒澤刑事の事、嫌いなんじゃないの? あ、そうそう、そういえば昨日、黒澤刑事がね…?」 「ん…?黒澤がどうかしたの?」 「何かテレビで、タレコミがどう…、とか言ってたんだよね。 “タレコミ”って何なのかな~、と思ってね?」 「何って…、目撃情報とかの事じゃないの?それが何だって?」 「う~ん…、忘れた。」 …タレコミがどうって何の事だろう? 恐らく、地域住民に対しての防犯対策の一環か何かだろうけど。 むしろ、黒澤もテレビではまともな事言うんだなって感想の方が強い。 「そもそも、それってどんな番組だったの?」 「あのね!!警察の人が麻薬の売人とかを…、」 …まぁ、至極普通のドキュメンタリー番組だったらしいという事は分かった。 了
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