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「戸籍は役所が管理しているが、役所で戸籍をどうこうできる物じゃない。
ましてや本人は捕まっていたんだ、本人以外が戸籍を作れるわけがない。
役所というのは法務局の管轄であり、それを統べるのは法務省だ。
本人のいない間に戸籍を作れるのは、法務省の人間以外には不可能だろう。」
「何だか、話が変な方向に向かってない?
その法務省とかが、今回の事と何か関係あるの?」
「まだ推測の域は出んが、大神崎が法務省の人間と繋がっている可能性がある。
いや、少なくとも国の何らかの機関と繋がっている可能性、が正しいか。」
「何それ…、件が政治家だって事?もしくは元政治家とか?」
「それも、可能性の1つだろうが、俺はそうは思わない。
俺が危惧しているのは、奴とあの場所が国の何らかの機関に管理されていて、
お前が、その“何か”に巻き込まれてしまわないか、という事だ。」
確かに、国の機関なんて聞くと、ちょっと怖い気もするが…、
「個人の財力で東京の一角に、あれだけの土地に屋敷を建てられると思うか?
親族の遺産などがあれば別だろうが“戸籍”によれば両親は居らず、
施設で育ったとある。
コネも何も無い孤児が、あの若さであれほどの財産を築けるとは思えん。」
「その法務省か何かが、件の為に件の館を建てたって事?」
「奴は無職だと言っていたが、あれだけの屋敷を管理する金はどこから来るのか。
いずれにせよ、奴1人でどうにか出来るような問題じゃない事は確かだ。」
了
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