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どれぐらい不条理かというと。
せっかく頑張って組み立てた立体パズルが、なぜかがんじがらめに入り組んでしまって、二度と抜けなくなった――そのくせ、微妙に失敗して妙にはずかしいかたちに突き出してしまった的な――非常に微妙な状況をかもしている、的な感じ。
むろん、害悪を為してしまった、というわけではない。
考えてみて欲しい。江戸の仇が宇宙ステーションで討たれるはずもなく、また遠い先祖のそのまた先祖の因果が現代に生きる赤の他人に報いてくるはずなど決してあり得ない。
なのに。である。
人生において、あり得ない不条理が次々に降りかかってくる。
”不条理連鎖症候群”。
実に微妙なダメポぶりをDNAに持つ希有な存在。
それらの病に犯されたものにとって、不条理は日常と肩を並べており、さもあたりまえのような顔をして鎮座している。
もちろん、常人にいくら説明しようとも、現実は如何ともしがたい。動かざること山の如し。
うんうん、たいへんだね、へー、それで?
聞き流されるのもまた不条理である。決して理解してはもらえないだろう。
だが現実から一歩ひいて俯瞰してみれば、世界が決して安寧とはし続けていないことに気づくだろう。
すべては、世界を浸食する不条理という名のメガダークストリーム。
いくつか例を挙げてみよう。
不条理について枚挙にいとまがないことはすぐに理解して頂けるはずだ。
大人気ソフトを発売日に到着するよう一ヶ月も前にネット通販で予約したら注文過多でなぜか必ず前日にキャンセルされたとか。
お取り寄せグルメセットを頼んだと思ったらスカスカカビまみれセットが送られてきたとか。
美少女かと思ったら男だったとか。
空から嫁が降ってきたかと思ったら
悪魔だったとか――
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