プロローグって大事だとは思わない

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今、俺は友達(仮)と、下校している。 登下校の道。それは入学式から卒業まで、休みの日を除いて一番多く使う道だ。 みょーんと伸びる寂しさを帯びた一つの影、それが俺のいつも見ている景色の一つと言っていい。 つまり、基本的に俺は一人で帰る。ぼっちとかそんなんではなく、ただ一人でいるのが大好きな青春真っ盛りな少年である。 ごめん嘘。俺友達少ないわ そんな俺の名前は森塚宗太、通り名は歩く一般人だ。ただの一生徒にすぎない。そして、珍しく下校を共にしているのは、名の知れていない高校生B君だ。 だからと言ってコイツはリア充してないわけじゃない。そこそこイケメンでラヴレター(笑)を何通か貰っている歴としたリア充候補の一人なわけで。 そもそも、一人で帰ることが多い俺とコイツが一緒にいる理由は、俺が「アンタと一緒に帰ってあげるから感謝しなさい!」と大声を出したからだ。B君は「おま……ッ!」と素晴らしく嫌な顔をしてくれた。でも一緒に帰ってくれる君は好きだよ。友達として。 この通学路には俺たち以外にも複数名セットになって下校している。 それはカップル、バカップル、カップルになりそうな奴ら。 そうさ、こんな空気に耐えれる奴がいると思うか?俺は思わない。手元にバーガーかパイでもあれば男の顔に投げつけたいほど憎いとも思う。 それに比べこっちは男二人。しかも帰路について早3分。会話の一つもない。 全部俺のせいワロタwwwwwwww このクソみたいな空気をぶち壊すにはクソしょーもないギャグを言うしかないなwww 宗太「白鳥が実行する白髪取り。その白髪は恐ろしいほどにきめ細かである意味芸術。気持ち悪いほどに芸術。俺は後の世に言い残すだろう。 白髪っていいもんじゃねぇわ、と」 なぜか俺が滑ってしまった。ふざけんな 白髪「待て。なんか面白いことを言おうとしてスベったのは本当にわかる。でも白髪はやめてくれ!」 宗太「え?おまえの名前白髪じゃねぇの?wwwww」 白髪「………ゴホン、失礼。俺の名前は白髪取りの白鳥!」 重苦しい空気が二人の間に流れる。その空気に当てられた俺は静かに目を反らした。 宗太「なぁ、友達やめていい?」 白髪「ごめん」 ごめんじゃないよ何この人……頭大丈夫なのかな?wwwww しかも自分で言っといてorzなってるしwww
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