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「そうやって、俺の頭を決めつけるなよ、まったく」
泰介の言葉にハコネは「ホントのことじゃない」と返した。
ホントのことといえばホントのことだ。泰介のテストで40点以上を見たことがない。
「にしても、この時期の先生達の言葉って皆、一緒だよな」
「そりゃそうよ、だって私たち受験生だし……ね、これからカラオケでも行かない?」
「いきなりどうした?」
智則がそう言うと、ハコネは少し照れたように言った。
「ん~実は紹介したい子がいるの」
ハコネのその言葉に泰介がいち早く反応する。
「女か!?」
「そんなにがっつかないでよ、まあそうなんだけどさ」
「どんな子なんだ?」
智則がそう言うと、ハコネは笑いながら、言った。
「私にも分からないの」
「分からないってなんだよ」
泰介がすかさず突っ込む。ハコネはその言葉に多少気まずそうにしながら訳を話し始めた。
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