「誰もが言う言葉はいつもありきたりだ」

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「ええ、まあ」 神田がそうこたえると原田は腕組みをしながら言った。 「じゃあさっさと仕事探してこい、今も担任の小林先生があたふたしながらお前を探してるぞ」 「小林さんが?」 神田がそう答えると、原田は顔をしかめながら言った。 「小林先生だ、さんじゃないだろ。早く行ってこい、片付けておくから」 原田はグラウンドを見渡しながら言った。グラウンドにはハードルやバットなどが転がっている。 それを一通り見て、原田はもう一度最後に言った。 「お前、何の練習してたんだ?」 その言葉に対し、神田は苦笑いをこぼしながら答えた。 「仕事探しです」 原田は呆れた顔をしながら手でさっさといけと示した。
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