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「あっ!いた!神田君!」
グラウンドから学校に入ると、すぐに甘い香りと共に女がこちらへと小走りでやって来た。
「何回も放送で呼んだのに、どうしてすぐに来なかったの!?お家の方に電話しても誰もでなかったし……」
担任の小林佑香は先生にしては若く、まだ新人もいいところの先生になって一年の先生だ。
一年目だからなのか、どうも暑苦しい。
それが異様に嫌になる。
「今、家に両親いないんですよ、二人ともどこかに出かけていて」
嘘だ、本当はいる。けれどあいつらがそれに出ることはない。
神田がそういうと、小林は少し納得したような表情を見せた。
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