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「そうだったんだ、なら仕方ないけど、でも神田はこの先どうする気なの?」
小林はそう言って、神田を見た。その目は熱い目だ。まさに熱血教師と言いたいところだ。いつも間抜けな顔をしている社会担当の先生に見習ってほしい。
「別に、このままニートでも僕は構いませんけど」
智則がそう言うと、小林は呆れたように智則を見た。
「あのね、そんなことが通用するわけがないでしょ?」
一応私は先生なのよ?と小林は自らを指さしながらそう付け足した。
「じゃあ、どうすれば?」
「きちんと就職先を探そうよ、別に神田君は頭もいいし、大学だって今から勉強すればきっと・・・」
「だから・・・」
神田が反論しようとすると、廊下の反対側から叫び声が聞こえてきた。
「あー!神田が佑ちゃんをナンパしてる!」
「なにいい!なんと羨ましいことを!おい、智紀(とものり)なにしてんだ!佑香ちゃんは俺のだ!」
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