9人が本棚に入れています
本棚に追加
もう一人の女はそう言って智則と泰介の間に割って入る。
腰のちょっと上まで伸びた髪が木の葉のようにゆらゆら揺れる。
「邪魔するなハコネ!」
ハコネと呼ばれてた少女は割って入りつつもすぐに身を翻し、泰介にデコピンをくらわせた。
大した威力ではないと思うが、泰介はすぐにデコを押さえ、わざとらしく痛がる。
「イッテ……なにすんだ!」
「佑ちゃんを困らせた天罰。当たり前でしょ?」
「そうだ、もうちょい静かにしろ松崎」
智則がそういうと、ハコネはすぐに智則を睨み付け、どついた。
「あんたもよ、智則。」
「俺もか!」
「そりゃそうよ、ナンパして困らせてたんだもん」
「あれはナンパじゃなくて、進路のことで……」
智則がそういうと、佐倉ハコネは馬鹿にしたような目付きになり、言った。
「なに?進路?将来を誓いあったの?」
最初のコメントを投稿しよう!