出会い

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私は伊藤小百合。 32歳。昼は子会社の事務員として働いている。 夜は週に二日、風俗で働いている。 風俗といっても業種はいろいろあるが、私が働いているのはアロマだ。 アロマとは男性客に対し、下着姿でオイルマッサージ、その後、手を使って性的サービスを行う。 私が風俗の仕事を始めたきっかけは病気がちな父親への仕送りだった。 今時、古臭いドラマじゃあるまいしそんな話しあるの?と思うかもしれないが、現実にそういう話しはよくある。 恵まれた家庭ばかりではないというだけの事。 最初はもちろん嫌だった。手だけのサービスといっても、客は男。こっちは下着姿。触ってくる奴もいれば、押し倒してきたりする馬鹿もいる。 幸い、私が働いてる店は経営者が元証券会社で働いてた人なので、過剰サービスを強要されるどころか、嫌がられる。 他の女の子までもが、過剰サービスを強要されるようになるから。 私は元々、仕送りのために始めただけだし、No.1になってやろうとか、指名をたくさんとってやろうとかいう意欲もない。 もちろん客からお金を貰うわけだから、きちんとしたサービス、接客はする。 運よく私はおじさん受けがいいので週2の出勤は、だいたい指名で埋まる。 ただ風俗でバイトしてるというだけで、見た目も普通の清楚系OLだ。 実際アロマなんかは30~40代が主流なので、派手なギャルより普通の女の子がうける。 風俗の仕事をしている事は親友以外、誰も知らない。
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