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私には同棲してる、彼氏がいる。
立花慶。26歳。
友達はみんなイケメンだと言う。
長身でスタイルがよく、整った顔立ち。
確かにモテるタイプだと思う。
仕事は…俗にいう恋人商法の専務をしている。
あらゆる手法で知り合った女性と仲良くなり、惚れさせて高額な商品を買わせる。法律すれすれのとこでやっている仕事なので稼ぎはいい。
慶は16歳からその仕事をしていた。
そんな私達が出会ったのはゲーセンだった。
新天町のゲーセンで一人ブラックジャックで遊んでいた。
しばらくすると、スーツ姿の男が横の席に座った。
私は特に顔を見ようとは思わなかった。
30分くらい遊んだ後、明日も仕事だし、そろそろ帰ろうかな…と席を立ったその時だった。
慶:帰るんですか?
横の席の男が話しかけてきた。
私:えっ?
初めて顔を見た。そこには若い端正な顔立ちの男が座っていた。
慶:よかったら一緒に飲みに行きませんか?
俺、友達にドタキャンされちゃって。
私:………………
ナンパなんて何年ぶりだろう……しかもこんなイケメン……。
い・いかん!イケメンだからこそ怪しい!
私:ごめんなさい。明日も仕事だし、帰らないと…
慶:そうなんだ。じゃあ一杯だけ付き合ってくれない?
私:…………………
慶:もしかして怪しんでる?一杯だけ付き合ってもらったらタクシー乗せるから。安心して?
この時の私はなぜだか誘いを断る事ができなかった。それはやっぱり慶がイケメンだったからなのかもしれない…。でもなぜだかこの人は危険な人じゃないと思った。
それから私達は近くの夜景が綺麗なBarに言った。
なにを話したとか細かくは覚えてない。
ただ楽しくてしょうがなかった。
慶:小百合さん、彼氏いるよね?
私:……うん。いるよ。
慶:やっぱり。
私:なにそれ?
慶:いい女には彼氏がいるって意味。
私:あははっwありがと。慶くんもそんだけイケメンなんだからもちろん彼女いるでしょ?
慶:俺?いないよ。遊ぶ子はいるけど特定の彼女は作らない。
私:なんで?
慶:仕事の邪魔だから。
不思議に思ったけど、この時は深く追求しなかった。
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