彼『等』、傍若無人也

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食道事件から二週間、一体真澄君に何が起こったのだろう 彼はめっきり教室に姿を表さなくなった そのせいか、くそったれホモホストと真澄君の親友の爽やかな彼と不良な彼の機嫌がすこぶる悪い 逆に俺はすこぶる機嫌が良い、授業がこれでもかってくらい進む進む これが普段あるべき授業の形だ、いつもが異常すぎるのだ カムバック学業の本分 ―――― 何事もなく放課後を迎えた俺は、寮の佳ちゃんの部屋に向かっていた なんでも俺に話がある人がいるらしい 部屋の前に着くと迷うことなくベルを連打する、俺にもこんな茶目っ気くらいあるのだ ガチャっとドアが開き、出迎えてくれたのは…… 「ゆっきん!!」 そこに居たのは、生徒会副会長三木幸織ことゆっきんだった なにを隠そう、ゆっきんもまた俺達の幼なじみなのだ 「なっちゃん、久しぶりです」 目を細めて微笑むゆっきんはとても綺麗で絵になる 感動の再会を済ませた俺は部屋に入り、ソファに座ると話を聴く態勢に入った 佳ちゃんは俺の横に、ゆっきんは正面に座った 「ゆっきん、話って?」 俺がそう切り出すと、ゆっきんは真剣な顔で話しだした それは食堂事件の後の話で、あの後、ゆっきん以外の生徒会役員が真澄君をえらく気に入り、毎日生徒会室に呼んでいるらしい
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