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その騒がしさ、正に騒音
……あぁ、集中できない
これはもう、場所を変えるしかない
仕事に必要なモノを纏め始めた俺に「おい」と数時間ぶりにお声が掛かった
「はい」
返事を返すとピタリと騒音が止み、俺に突き刺さる四つの視線
「仮(かり)、どこ行くつもりだ」
声の主は生徒会会長だった
「いえ、……風紀に書類を提出しに行こうと思いまして……」
生徒会室を出る為に咄嗟に出た言葉だったが、強ち間違いでもない……今から風紀室に行くつもりだったのだから
「お前みたいなキモい奴を此処に出入りさせてやってるんだ。感謝して仕事に励め。さぼんじゃねぇぞ……全部終わらせるまで寝るな」
「ぷ、会長ぉ、そんな当然のこと今更言うー?」
「………キモい」
順に、会長、会計、書記が鋭い睨みを利かしながら俺が業務から逃げないよう念を押してきた
書記に至っては只の暴言だが
「はい……心得ています」
初めの内こそは理不尽且つ、身勝手な暴言にも腹が立ったが、毎日の様に言われ続けると多少は慣れるもので
それでも頭に血が登りそうになるのを必死に抑えると、大量の書類を抱え会釈をしてから生徒会室を後にした
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