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指先から、私の力が抜けていく。
それと同時に、彼の手が私の手を強く握る。
まるで、離さないと言わんばかりに、強く──。
あーあ…まだ泣いてる。
駄目じゃないの泣いちゃ…。
何のために私が笑ってるのよ―。
男の子でしょー、しっかりしてよってば……って、鼻水すごいよ―……。
──なあ、ミツキ…俺…。
どうしたの?
ちょっと、早めに言ってくれないかな…。
──俺、な…。
力の脱力感が私の体を支配したとき、彼の言葉と、私の意識が遠ざかったのは、同時だった。
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