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『あの時、どうして何も
伝えられなかったのか。
って、後悔してる。
あの時ちゃんと伝えられてたら
この胸も楽だったかも
しれないのにー…。』
何処か寂しげなプロローグ。
実際こんな経験はないけれど
胸がきゅうっと締め付けられる。
…そういえば。
…昨日の夢…
妙にリアルで
気持ちが悪かったあの夢。
…何だったんだろ。
何故か急に思い出して、
唇を指でなどった。
…確か、この辺りに
彼の血が散ってきて…
唇をきゅっと噛み締めると。
血の味がした気がして
胸がドクンと鳴った。
…本当に、ただの夢…
だったのかな…。
鼻から上が見えなかったあの人。
群青色の髪を高く
結い上げてたあの人。
……何処か寂しげな雰囲気で。
見ていてなんだか切なくて。
夢でいいから。
……もう一度。
…会ってみたいな…。
なんて変な事を考えてると。
プロローグを読み終えない
うちに読書時間終了のチャイム
が鳴った。
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