1.終わりから始まり

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ただの顔見知り程度の関係だった。高校2年の頃、たまたまクラスが一緒になっただけで名前もあやふや。今でも何処に住んでいるのかも職業も解らない。 そんな全然接点もないあいつでも、たった一つだけ共通点がある。それは好きな奴が一緒だと言うこと。お互い言わずともなんとなく解っていた。見る目が同じだった。 そんなあいつとの何年か振りの再会は、唯一共通点だった奴の結婚式だった。 賑やかに着飾る花嫁と花婿は、とてもお似合いで。隣ではその2人を写真に撮ろうとずっと立っている人もいた。感動で泣いている人も。 .
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