苑子と桃

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 16年前の冬。  大切な約束があったんだ。あの日の夜。  でも守れなかったね。 「わあー!」  駆け出してく小さな背中。なびく赤いマフラー。  もっと早く掴んでいれば。 「ののっ!!」 「おい待て桃、桃!」  トラックの下に消えたのは、わたし。 「お前が死んだらおれは……」    ごめんね。
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